ホームヘルパーの介護サービスにおいて、よく言われる問題が「生活援助の分野のグレーゾーンが多い」ということ。個人と個人での関わり合いになり、頼まれたけれどこれはやっていいものかと疑問が生じやすい部分が多いとされています。
たとえば、実際には作業ができない利用者であっても、本人の希望があれば、掃除をしてもいいのかというケースがあります。利用者さんの中には普段からほとんど掃除ができていないような人もいます。どちらかといえばさらに汚している状況だとしても、本人の希望であれば、掃除をするのは自立支援の観点からすると間違いではありません。
掃除の支援では部屋をキレイにするという目的のほかに、本人が自ら掃除をできるようにサポートするという目的を持つことも重要です。この場合、できるかできないかは別として、本人の希望を尊重することが望ましいといえます。
支援するホームヘルパーサイドからすると部屋をキレイにしなければならないのに、利用者がむしろ汚しているという状況は我慢できないかもしれませんが、本人の気持ちを尊重しましょう。
実際に利用者さんがほとんど掃除ができていないのであれば、その対策として本人に「同じようにできますか」と作業をみせながら声をかけて真似してもらったり、手順書を作成して壁に貼るのも一つの方法です。
なんでもかんでもしてあげるのは、その人のためになりません。高齢者が本当の意味で自立し、健康的な日々を送るためには、高齢者側が「できることをやろうとする」気持ちを持つことが必要です。そのためには、介護をする側がこまめに声掛けをしたりして、自分で動こうとする気持ちを奮い立たせてあげることが大事なのです。